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岩田榮吉の作品

 作品点描(11)
  とんがり帽の自画像


フランス政府給費留学を終えた岩田は、帰国せず引続きパリで勉強することを決意します。《青いとんがり帽の自画像》(画集№15)は、この年1960年に制作されています。《ナルシス》が芸大の卒業制作自画像であるのに対して、こちらは日本館時代の卒業制作自画像と言えるかもしれません。

《ナルシス》とまったく同じポーズで画面左下の水面(らしきところ)を見ている人物ですが、こちらははっきり「自画像」と題しています。日本館時代のモチーフが周囲に配置されているのは《ナルシス》と同じ趣向ですが、絵具の塗りやタッチは厚めで重たげ、座っている場所がかすかな光しか射し込まない石造建築の一隅、身を包む服と「とんがり帽」は道化の扮装…と、この時代の自身を見つめているようです(作品点描(9)~《ナルシス》 参照)。


《青いとんがり帽の自画像》 1960年
《青いとんがり帽の自画像》 1960年


そしてもう1枚、《赤いとんがり帽の自画像》も1960年の作品です。こちらは座ったポーズで、芸大専攻科時代の課題制作《招待》の右下に見える人物(自身)に類似していますが、《青いとんがり帽の自画像》と同様の意図をもって制作されたものと思われます(作品点描(10)~《招待》 参照)。


《赤いとんがり帽の自画像》 1960年
《赤いとんがり帽の自画像》 1960年


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