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岩田榮吉の作品

 作品点描
  作品とタイトル(その1 類型)


美術館などに展示されている絵画作品には、当然のように文字の書かれたプレートが添えられ、作者名、作品のタイトル、制作年、画材、サイズ、所蔵者などが情報として提供されています。あたかもすべて客観的な事実や調査に基づく記載のように見えるのですが、作品のタイトルに関しては、同様ではありません。

例えばフェルメールの《真珠の耳飾りの少女》は、《青いターバンの少女》のタイトルも知られています。世界でもっとも知られた絵画と言われるダ・ヴィンチの《モナ・リザ》も、フランスやイタリアでは《ラ・ジョコンダ》です。作品のタイトルは、様々な目的により他の作品と区別する必要に発し、やがて作品の一部と化して作者の表現を補完し訴求する役割を担うものが現れます。モネの《印象 日の出》のタイトルがなければ、絵画の歴史はどうなったでしょうか。

作品のタイトルは、一般に、命名者とタイトル淵源の二面から考えてみることができます。「命名者」とは、作家自身がつけたタイトルかどうかということです。中には作家本人以外の関係者が便宜上つけたタイトルがあります。「タイトル淵源」はおよそ次の4通りに分かれます。
(1)風景・静物・肖像などのジャンルをそのままタイトルにするもの。
(2)画題を体現するために描かれたモチーフをタイトルにするもの。
(3)上記の(1)(2)を組み合わせて、ジャンル+画題をタイトルにするもの。
(4)上記(1)~(3)に係わらず作品と一体化して制作意図を表現するタイトル。

岩田の作品事例をピックアップしてみましょう。(作品名の頭数字は画集中のNo.)
  岩田本人の命名による作例 岩田以外の命名による作例 
(1)ジャンル名そのままのタイトル    《参考59~62:自画像》
《風景A》 
(2)主なモチーフ・画題をタイトルにしたもの  《16:人形と城》
《67:アルルカン》
《4:横浜山手》
《参考31:ブルターニュの農家》 
(3)ジャンル+画題をタイトルにしたもの  《15:青いとんがり帽の自画像》
《21:宝石箱の静物》 
《参考4:石段のある風景》 
 (4)作品の一部化したタイトル 《31:薔薇の貴婦人》
《90:シバの女王》
 

やはり(4)のタイプのものがもっとも興味深いものです。


《シバの女王》のキャプションと展示の状態(横浜本牧絵画館)
《シバの女王》のキャプションと展示の状態(横浜本牧絵画館)


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